最近ではこの言葉を使う人はほとんどいなくなったが、かつてドイツ代表チームの代名詞といえば、「ゲルマン魂」だった。リードされる不利な展開であっても絶対に最後まで試合を投げない、諦めないという不屈の闘志で格上の相手をやっつけるのである。古くは1954年スイス大会の決勝。予選リーグでぼろ負けし、圧倒的に優位と言われたマジック・マジャール、ハンガリー代表に見事な逆転勝利。1970年には前回覇者のイングランドにまたしても逆転勝利。1974年は優勝候補の筆頭だったクライフのオランダに逆転勝ち。1982年にはプラティニ率いるフランスに延長戦で同点、PK勝ちと、下馬評の低い試合で次々と逆転勝利を飾っていく。まるでどこかのサッカー漫画のような劇的な勝利を重ねていったのである。