決して読んで分かったとは言えない。しかし、同じインタレストを共有できた納得の気持ちはある。三巻はより近づいてる。因果関係、時間、現象、物自体(あるいは病気自体)、空間。存在、観念論、反省といった僕ら臨床屋が毎日取っ組み合っている命題がここでは議論される。カントの文章は分かりづらい。あえて言おう。文章が下手である。一説には当時のドイツ事情からわざと分かりにくくしたという説もあり、ドイツ語独特の長々した文章の特徴という説もあり、翻訳の問題という説もあるが、それを差し引いてもカントの文章が下手だ、という要素は大きいと僕は思う(素人が偉そうにごめんなさい)。中山元の解説を先に読むほうがよい。こちらはとても理解しやすい、納得のいきやすい文章である(難しいけど)。そのあとでカントの地の文を読むとずいぶん違う。4巻も楽しみだ。一所懸命読みたい。